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Tobias Jesso Jr. [CANADA]


Goon

Goon

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: MUSICSTORE
  • メディア: CD



  カナダのバンクーバー出身の新進 SSW が2015年に発表したデビュー・アル
バム。 極力無駄を省いたシンプルなサウンドが話題になり、MUSIC MAGAZINE
などでも高い評価を得ていたような覚えがあります。

  「Goon」というタイトルのアルバム。 ジャケットに映った Tobias Jesso Jr. の
陰鬱な表情からは、自らの手で人生を終わらせてしまいそうな予感すら感じます。
その雰囲気はアナログ盤サイズのジャケットで見るとなおさらです。 Matthew Jay
みたいにならないでほしいと、余計な心配をしてしまいました。
  
  アルバムは「Can't Stop Thinking About You」に代表されるようなピアノの
弾き語りスタイルがほぼ全編を貫いています。 27歳で始めたというピアノは自分
でも弾けてしまうと思えるほど、音数が少なく、またゆったりとしたもの。 やや奥ま
った感じで録音したボーカルも、うっすらと陰りを感じさせ、かなり内向きな内容であ
ることは間違いありません。

  とはいえ、シンプルでわかりやすい楽曲が並んでおり、いつの間にかぐいぐい
と引き込まれてしまうような魔力がここにはあります。 全曲が彼のオリジナルです
ので、「Without You」、「Can We Still Be Friends」といった曲は有名曲のカバーで
はありません。

  「Holywood」という曲がとくに評価が高いようですので、興味ある方は下記をどうぞ。



  個人的にはこの曲。




Lantern Parade [JAPAN]

  
魔法がとけたあと

魔法がとけたあと

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ROSE RECORDS
  • 発売日: 2015/12/09
  • メディア: CD



  前回取り上げた、ランタン・パレードの最新作にして、最高傑作。 そして近年の
日本の音楽シーンのなかでも、傑出したクオリティのアルバムです。

  ジャケットを見れば、前作の延長線上にあることは容易に想像できますが、自分
は最初にこちらから入ったので、このアルバムの瑞々しい鮮度も含め、この「魔法が
とけたあと」の方にどうしても気持ちが入ってしまいます。

  2015年5月13日にレコーディングされたこのアルバム。バンドのメンバーも前作
と同様で、清水民尋(Vocal & Guitar)、光永渉 (Drums)、曽我部恵一 (Bass)、横山
裕章 (Piano)、高田陽平 (Percussion) の5人。 

  サウンドの指向は「夏の一部始終」をそのまま踏襲していますが、今作は曲の
メロディーセンスが前作をはるかに凌駕し、さらに歌詞の世界観や独特の表現も
切れ味を増したことから、個々の楽曲の完成度が奇跡的ともいえるレベルに達して
います。 

  なかでも「救いようがない」、「もしかしたら今も」、「たったひとつの朝」、「水たま
りは空の色」といった楽曲は、ランタン・パレードにしか描くことのできない不安や
希望、悲しみや喜びが、微妙な配分で混ざり合っていて、リスナーの心の奥底を
じんわりとつかみ取っていくことでしょう。

  ベストソングは「時のかおり」でしょう。 正直言って、この楽曲のすばらしさを
表現するすべが自分にはありません。 流麗なピアノに導かれ始まるこの曲は、
今世紀の日本の音楽シーンのなかでも指折りの出来映えです。 何も言うことは
ありません。

  最後に、このアルバムを知るきっかけをお話しします。

  昨年、自分が一番多く聴いたと思うのが、cero というバンドの「Obscure Ride」
というアルバムです。 めでたく、MUSIC MAGAZINE でも年間1位になっていまし
たが、まったく異論はありません。

  その cero が深夜に Inter FM で「ナイト・ドリフター」という番組を持っていて、そこ
でメンバーのひとりが紹介してくれたのです。 残念ながら番組は今年の春に終わって
しまったのですが、こういう巡りあわせは素晴らしいことですね。 メンバーのうち誰が
紹介したのかは覚えていませんが、そんなふとした奇跡が、自分の人生を少しずつ
変えていくのだなあと、しみじみ感じています。




Lantern Parade [JAPAN]


夏の一部始終

夏の一部始終

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ROSE RECORDS
  • 発売日: 2011/11/21
  • メディア: CD



  久しぶりの投稿です。

  最近は、日本のインディーズ・シーンばかり聴いていますが、そのなかには 50 を
過ぎた自分にもしっくりくる音楽が多く、最近の 20 代は凄いなあと感心させられています。

  その中でも秀逸なのが、京都を中心に活動している「ランタン・パレード」です。 
彼らはかなり多くのアルバムを発表しているようですが、今日ご紹介するのは 2011 年の
作品。 僕が買った彼らのアルバムとしては 3 枚目になるものです。

  「ランタン・パレード」は清水民尋を中心とするユニットで、アルバムによってはほぼ
彼一人の打ちこみサウンドのものが多いようです。  ですが、今日とりあげた「夏の一部
始終」はバンド編成によるもので、このバンドの静かなアンサンブルとともに、心に染み
いる SSW サウンドが堪能できる傑作となっています。

  バンドのメンバーは、清水民尋(Vocal & Guitar)、光永 渉 (Drums)、曽我部
恵一 (Bass & Chorus)、横山裕章 (Piano)、高田陽平 (Percussion) という
編成。 曽我部恵一以外はどんな活動をしてきたミュージシャンなのかはわかり
ませんが、この5人がかなり奇跡的なサウンドを作り出しています。

  とりわけ、横山裕章のピアノと高田陽平のパーカッションが秀逸で、このアルバム
の色あいを作りだしています。 淡くてせつない、朴訥としながらも意志の強さを感じる
清水民尋のボーカルとの相性は聴く人のこころをつかんで離さないことでしょう。

   ♪ 誰かが人生に幻滅する、どこかで人生に幻滅する ♪ といった青臭い歌詞
がすっと心にはいってくる『誰かが世界に』は、まるで1970年代かのような風情を感じ
させますが、そこにないのが古い畳のカビ臭さ。 やさぐれたりせずに淡々と歌われ
る背景に、ボサノバ風なアレンジや流麗な演奏があるので、懐かしさと新鮮な思いが
同居したような気分にさせられます。

   ♪ 夢が見れない。今やるべきことを、ただやるだけ ♪ と歌う『夏の一部始終』
は、歌詞だけ見ると人の背中を押す応援ソングのようで、ふだんの自分ならば吐き気
を催すのですが、そうならないのです。 ここでは、自分自身に言い聞かせるだけの
ために書かれた内省的なメモを燃やす前に朗読しているかのように思えて、妙に聴き
入ってしまいました。 ひょっとして自分のなかに埋没していた何か大事なものをこっ
そりと掘り起こされてしまったかのような錯覚を覚えるのです。

   そんな素晴らしいアルバムですが、残念なのは、ややボーカルが不安定で
それが魅力とはわかっているものの、低音の部分をもう少し丁寧に録音しておいて
ほしかったなあと感じる部分が数か所あることです。 しかし、そんなことすら創作者
の意図かもしれませんし、リスナーが文句を言う場面ではないことも承知しています。

   このあと、「ランタン・パレード」はこの「夏の一部始終」の続編的な内容の
アルバムを2015年に発表しますが、それこそが奇跡的な最高傑作となりました。
   近日中にここで取り上げたいと思っています。




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