前の20件 | -
Destroyer [CANADA]
カナダのベテラン SSW によるユニットとタワレコの店頭で紹介されていたアルバム。
Destroyer がタイトルでアーティスト名が Kaputt だと思って買ったのですが、どうやら逆
でした。 しかしひどいネーミングです。 僕のように中年になると、デストロイヤーで思い
出すのはあの覆面レスラーしかないですから。
この Destroyer がスタートしたのは1995年のバンクーバーでのこと。 Daniel
Bejar を中心とするユニットで、本作が9枚目だそうです。 彼らの音には初めて接した
ので、当然ながらサウンドの変遷などがわかりません。 ただ、ネットで調べてみると、
かなり変化しているようで、ドリーミーだとかチルウェイヴといった形容をされています。
たしかに、Bon Iver のようなサウンドがグラミー賞にノミネートされ、それなりに知名
度を上げているのは、世の中にあふれた人工的なデジタル音に対する拒否反応なの
かもしれません。 あるいはバランスをとる意味で必要性が増してきたみたいな。
しかし、このアルバムは大名盤! 音のシンプルさと、奥のほうで響くトランペット
やフルートなどの生音、そしてゆったりと刻み続けるリズムが心地よいです。 Felt の
ようなネオアコの雰囲気もありつつ、Fra Lippo Lippi の最初期のような凍てつく感じも
ただよったりします。 でも一番近いものを感じるのは Perry Blake の名盤「California」
かもしれません。 音の魔術師的なエコー感が似ているかなあと。
そんなことを考えつつ、これは久しぶりに発見されたドライブ・ミュージックかな
と思うのは、さきほどまで降り続いていた雪を見ていたせいかもしれません。 雪に
覆われた高原をロングドライブするときの BGM としては最高でしょう。
さすがカナダです。1970 年代から良質な SSW を生み出してきた北国の伝統を
見せつけられました。 ぜひ、Tony Kosinec のカバーでもしてもらいたいものです。
The Black Keys [USA]
アメリカのロック・フェスティバルで「コーチェラ」というデカいフェスティバルがある
ようです。 当然ながら行ったことはないのですが、3日間のうち初日のヘッドライナー
(紅白でいうトリみたいなもの)を彼らがつとめると人づてに聞いて、初めて存在を知りま
した。
ほんと、その程度の予備知識ですが、2日目のトリは Radiohead だし、アメリカでは
相当な人気があることの証には違いありません。 日本ではまだまだで、タワレコとかでも
大展開というわけにはなっていないようです。 しかし、よほどの実力がないと、ヘッドライ
ナーは難しいわけで、そのあたりを CD 音源から見出すことができるかいう点に的を絞って
買ってみました。
「El Camino」というスペイン語のタイトルからして、アメリカとメキシコのボーダーあたり
のほこり臭いサウンドを誰もがイメージすると思います。 しかも、このクルマのジャケットは
1970年代の雰囲気もただよいます。 で、実際聴いてみると、だいたい想像通りでした。
もう少し、Los Lonely Boys のようにブルージーな感覚が強いかと思いましたが、そこ
そこという感じでしょうか。 国境の音楽というよりは砂漠の音楽といった感じです。
骨太でごつごつした手触りは、いまのアメリカには貴重な存在なのでしょう。 彼らでなく
ては表現できないような個性があるかというと、かなり微妙ではありますが、うまく見つけた
スポットにすっぽりともぐりこんだというのが、マーケティング的にはあてはまるような気が
します。
ということで、ライブを見てみないと彼らの真価はわかりませんね。 個人的には、
「Little Black Submarines」という曲が、Led Zeppelin の「天国への階段」にそっくり
なので、てっきりカバーかと思ってしまいました。 これは、どうなんでしょう。 Amazon
のレビューでも同じようなことを書いている人がいますが、個人的にはこれはあまりにも
パクリなのでいただけません。 偉大な先人へのリスペクトであれば、堂々とカバーして
ほしかったと思います。
しかし、この曲は物議をかもさないのでしょうか。 すでにリスナーの多くは
Led Zeppelin すら知らないという時代に来ているということだったら、仕方ないのですが。
Jonas Bjerre [DENMARK]
前回、ここで紹介した Bon Iver がミュージック・マガジン誌のベスト・アルバム
2011 の北米部門で 1 位を獲得しました。 正直、そんな高い評価でいいのかと疑問
に思っているのですが、音楽は聴く人の主観にゆだねればいいので、まあそんなもの
かと思っています。
たしかに Bon Iver の冷たい空気感は嫌いではないのですが、それだったらずっと
こちらのほうがいいなあ、と思えるアルバムに出会いました。 デンマークが生んだ秘宝
ともいえる新進的なバンド MEW のボーカリスト、Jonas Bjerre (ヨーナス・ブジェーリ)
のソロアルバムです。
タイトルが Songs and Music from the Movie SKYSCRAPERとあるとおり、この
アルバムは映画「スカイスクレーパー」のサントラ盤です。 しかし、ここには透明感に
あふれた Jonas Bjerre のボーカルが全編にあふれており、気品のあるサウンドにつつ
まれて、まるで氷の宮殿に迷い込んでしまったのような気分にさせらます。 クリスマス
から年末にかけて、光のイルミネーションに包まれる遊園地に出かけたときにヘッドホン
で聴いていたくなるような、そんなメルヘンチックなムードもただよっています。
映画のサントラなので、輸入盤は平凡なジャケットのようですが、ここにある国内盤
は、氷の妖精とあざらしが合体したみたいな「ゆるきゃら」がイラストとなっており、こちら
のほうがサウンドをイメージするのにぴったりかと思います。 実際の映画に、これが
登場するのでしょうか。 映画が日本で公開されるのかどうかもわからないので、なんと
も言えませんが。
誰もが心に傷を負った2011年がまもなく終わろうとしています。 胸に染み込んだ悲し
みは、そう簡単に忘れることはできないでしょうけど、こうしてキラキラした音楽を聴いて、
すこしでも癒される人が増えればいいなあと思います。
Bon Iver [USA]
毎年恒例のグラミー賞のノミネートが発表されました。 個人的にはまったく
興味がないのですが、何気に知ったノミネートのなかに、Bon Iver の名前がある
ことにびっくり。 今年発売されたアルバムをあらためて聴きなおしてみました。
ボン・イヴェールと読むこのアルバムを知ったのは、Amazon のレコメンドで
した。 最近、なかなかかゆいところに手が届き始めたなあと感心していたところ
で、ユーザーレビューも高い評価だったので、エイヤーで買ってみたのです。
結果としては予想したよりも SSW っぽくないと感じたので、そのまま放置気味
ではあったのですが、こうして時間をあけて聴くとじわっと染み込んでくるものを
感じます。 それは、ちょうど真冬のような寒さとなった今日の天気のせいかも
しれません。 北欧の針葉樹林にいるかのような空気の冷たさが、ここには横たわ
っています。 サウンドとしては、Sigur Ros や Jonsi のソロに近いボーカルの
加工が施されており、リズム・セクションは可能な限り存在を消すように奥まって
います。 グラミーの最優秀楽曲賞にノミネートされた「Holocene」などを聴くと
その浮遊感はドイツの Can に近いかも、と思ったりして。
アルバムとしての完成度を高いとみるか否かは、リスナーの感性次第なの
ですが、僕としては世界観の打ち出し方は見事にはまっていると思いながらも、
やや単調で退屈してしまいます。 その要因は彼の薄っぺらい裏声と、そこから
人間味を取り除くかのようなエフェクトにあるように思います。 現代的で独創的
であり、意欲的な作品であることは認めますが、このまま君はどこへ向かっていく
の、と問いかけたくなる作品です。
Bon Iver はこのように魂を凍結させながら、きっと北へ向かうしかないの
でしょう。
David Mead [USA]
David Mead の新譜が発売されているのを発見しました。 いつもは、発売から
半年くらいしてから気づくことが多いのですが、今回は我ながら早いと思います。
しかし、まず驚いたのはこのジャケット。 David Mead はこんな顔だったのか、と
若干がっかりしつつ、よく見ると髪型が悪いんじゃないかと思うようになってきました。
これが Edwyn Collins の「Georgeous George」のようにカッコよく決まればよかった
のに、と思います。 タイトルが「Dudes」(気どりや)ですからコンセプトは間違ってい
ないと思うのですが。
とはいえ、この堂々とした姿からは今までの彼にない自信が感じられ、それが
作風の変化につながっているのではないかという期待が徐々に湧いてくるのも事実。
実際に聴いてみると、信じられないほどにバラエティに富んだ音作りがなされており、
内省的でしんみりしていた David Mead 像はすっかりふっとんでしまいました。
80年代の Squeeze が歌いそうな「King of the Crosswords」、幼児番組向けの
曲のような「Bocce Ball」、ほとんど70年代風のソウルアレンジの「No One Roxx This
Town No More」、こんなにアップテンポの曲は初めてだと思う「Knee-Jarek
Reaction」で聴くことのできるカラフルなサウンドは、まったく別人になってしまったか
と思うほどです。
ただ、それが全部というわけでもなく、「I Can't Wait」や「Tell Me What I
Gotta Do」、「The Smile of Rachael Ray」のような清々しいサウンドもしっかりと収録
されており、ほっとした瞬間もしくは安らぎのひとときを味わうことができます。
いずれにしても、過去の路線のままでは新たなファンの獲得も難しく、このまま
シーンに埋もれていってしまうことを恐れたのでしょう。 この方向性はミュージシャンと
して悪いことではありません。 こうして何度も聴いてみると、新たな側面と本来の持ち
味を交互にならべた曲順などもかなり意識された感じがあり、David Mead の新たな
リスタートを祝福し、応援したくなるのです。
Ryan Adams [USA]
今年の秋は大豊作です。 すでに、Wilco、The Jayhawks、そして Joe
Henry と立て続けに渋いアメリカン・ロックを紹介してきましたが、今日は取り上げた
Ryan Adams の新譜は、それらを凌駕する今年最高の SSW アルバムとなりました。
前作「Easy Tiger」から4年ぶりとなる「Ahes & Fire」は、前作のような自信みな
ぎるロック路線から一転、内省的なフォーク路線となっています。 この変化をどう受け
とるかはリスナー次第ですが、個人的には、Ryan Adams の感情を押し殺したり、情念
が漏れ出たりするボーカルの上手さに完全に参ってしまいました。 こんなに歌が上手い
といは本作を聴くまで気がつきませんでした。
オープニングの「Dirty Man」、つづくカントリー風ワルツ「Ashes & Fire」、繊細な
バラード「Come Home」と、ゆったりとした時の流れの中で、極限までそぎ落とされた
シンプルでアコースティックなサウンドがゆるやかに蛇行していきます。 バック陣は
Benmont Tench のハモンド、Norah Jones のピアノ、Gus Seyfert のベース、
そして Jeremy Stacey のドラムスが主軸となり、曲によりストリングスが加わって
くる構成できわめて素朴で、まるで焚火のまわりでセッションしているかのような
リラックスした雰囲気も感じつつ、しんとした冷たい空気感が同居しているという
イメージです。
ほとんどの曲が抑揚の効いた 70 年代風フォークのようなサウンドなので、おそらく
若いファンからは中盤あたりで敬遠されてしまうかもしれません。 しかし、この音に
繰り返し接することで、はじめて遠方に見えてくる新しい世界のことを忘れてはいけま
せん。 それは蜃気楼か幻かもしれないし、もしかすると希望の町かもしれないの
です。 Ryan Adams がついにたどりついた境地を、彼とともに共有するには、この
アルバムを繰り返し繰り返し聴き続けることでしょう。 それはある意味、修行のような
行為に思えるかもしれませんが、無理やり向き合う必要はないと思います。 仕事
をしながら、本を読みながら、通勤途中でヘッドフォンで聴く、といったいろんな聴き方
を受け入れてくれるアルバムだと思います。
ラストの 3 曲がまたしびれます。 心のひだを炙り出すような「Kindness」の素晴ら
しさ。 「Lucky Now」の枯れた味わい、そしてラストの「I Love You But I Don't
Know What To Say」で描きだされた喪失感には、短編小説の読後感と似たものを
感じます。
このアルバムは、才能あふれる大物ミュージシャンであることは誰もが認める Ryan
Adams がついに到達したひとつの頂点でしょう。 この秋、最大の収穫といえるアルバム
です。
Joe Henry [USA]
MUSIC MAGAZINE 誌の年間ベスト10の常連にして、コアな音楽通を毎回唸らせ
ているが、そのホットスポットから放れると、全く無名といってもおかしくない Joe Henry
の新作が発表されました。 多くの評論家が言及しているとおり、現代アメリカの SSW
界において最も異彩を放つミュージシャンであり、まさに鬼才ともいえる Joe Henry です
が、このアルバムが、また前作とは違ったシンプルさをたたえながらも、素晴らしい作品
に仕上がっています。
Joe Henry の音楽は、もしTom Waits が 1970 年中盤にダミ声に変声しなかった
ら、こんな音楽を奏でていたに違いないと思わせるもの、と勝手に解釈しています。
よって、すでに近年の Tom Waits は僕の興味の重力からは、軌道を放れて行ってしま
っています。
Joe Henry のギター、ボーカルに加え、Keefus Ciancia のピアノ、David Pitch の
アップライトベース、Jay Bellerose のドラムスという4人が基本編成で、曲によっては
Marc Ribot などのおなじみのゲストが参加しているというスタイル。 ここ数年の作品
のなかでは最もシンプルで音数が少ないような印象を受けます。 比例して前面に出て
いるのが、渋さをより増した感のある Joe Henry のボーカルです。 歌というよりも、
ストーリー・テリングのように聴こえる曲もあったりして、そこを引き立てているのは、Jay
Bellerose の乾いたスネアの音ですね。 デジタル時代のいま、このような音をどのよう
な機材でレコーディングしたのか気になりますが、小劇場でお芝居を見ているような
錯覚におちいるほどの、近距離さを感じます。 そのあたりは、Joe Henry がプロデュ
サーとして培ってきた才能の蓄積なのでしょう。 音の魔術師、というと陳腐に響きま
すが、まさにそんな感じなのです。
本作「Reverie」には音楽以外に重要な要素があります。 それはNotes (Life
Beyond Trembling) と題された短編小説のようなものです。 国内盤の解説では
「手記(震えの先にあるもの)」とあるこの文章は、それだけで独立した存在となっており
、これも含めて「Reverie」がひとつの作品なのだということを感じます。 デジタルで
データだけ入手するわけにはいかない、パッケージの魅力がここにはあります。
英語の理解力のない僕のような人間には国内盤での訳が、今回はとても重宝しま
した。
このアルバムを両親に捧げると明記した作品。 近年の Joe Henry の創作活動
の充実度を感じるのは毎回ですが、今回は、そこから放たれた鬼気迫る人間力に圧倒
される気がしました。
The Jayhawks [USA]
The Jayhawks 久しぶりの新作は、Rounder に移籍してのリリースとなり
ました。 そして、最大のニュースは Mark Olson の復帰です。 Gary Louris とは
2008 年の年末に Mark Olson & Gary Louris 名義でアルバムを発表していたの
で二人の復縁は明らかになってはいたものの、こうして The Jayhawks 名義で作品
をリリースされると感激もひとしおです。
前作の「Rainy Day Music」は2003年のリリースでしたので、8年ぶりとなる
この新作。 「Rainy Day Music」はMark Olson が抜けてからの The Jayhawks
のなかでは傑作だったので、この「Mockingbrid Time」への期待は否応にも高まり
ます。 その期待は1曲目の「Hide Your Colors」でいきなり暴発。 いきなりふたりの
コーラスがユニゾンのように延々と続く Jayhawks 節ともいえるサウンドに、のけぞり
そうになります。 アコースティックでシンプルなサウンドに大きな変化はなく、セコイア
の大木が時とともに年輪を増していくように円熟したアメリカン・オルタナ・カントリーの
世界が広がります。
彼らには、Wilco のような独創性やアイディア、先進性は感じられませんが、
それを理由に過小評価する理由はないと思います。 いい音楽をマイペースで続ける
こと自体が難しい時代だと思うからです。 「She Walks In So Many Ways」のような
ポップな曲に対しては、素直に向かい合って体を動かせばいいし、「Guilder Annie」
のようなバラードの前で目を閉じるも良し、「Black-Eyed Susan」のストリングスに
心を共振させるのです。 自分のメンタル状態を投影するかのような気持で、アルバム
を聴くことが大事です。
このアルバムは2010年の11月から12月にかけてミネソタ州ミネアポリスでレコー
ディングされました。 この時期には雪も降り始め、かなり寒いと思います。 そうした
空気感を感じたり想像しながら接するのも、秋の夜長の過ごし方としては、悪くない
ですね。 国内盤が発売される気配はまったくありませんが、来年あたりの夏フェスで
待望の来日となってほしい偉大なアメリカン・バンドです。
Wilco [USA]
現代のアメリカにおける最重要バンドである Wilco の新作は自らが立ち上げた
レーベル dBpm からリリースされました。 Bonus Track として Nick Lowe の「I
LoveMy Label」を収録したのも、彼らの新たな出発に対する自画自賛みたいなもの
でしょう。
アルバムはノイズ的な入りからメロトロンによる音の波、そしてニルスの攻撃的な
ギターがさく裂するアバンギャルドな大作「Art Of Almost」で幕開け。 もしかして、
自信のレーベルをもったことで、マイナー指向が強まったのではないかとの不安がよぎ
りますが、その心配はここまで。 つづくシングル「I Might」からはほぼ4分程度の楽曲
がバラエティに富んで陳列されています。 この「I Might」は先日の、フジロック・フェス
ティヴァル でも演奏したので、耳に覚えがありましたが、曲調のシンプルさが際立って
います。 同じような雰囲気をたたえた「Dawned On Me」、ギターのフレーズが印象
にのこる「Born Alone」、ノスタルジックなカントリー「Capital City」など、かなり淡々と
中盤は進行していく印象です。 ギターが炸裂して目が覚める「Standing O」、アルバム
タイトルでありながら脱力系な「Whole Love」など、あっさりアルバムが終わっていくよう
に思えますが、ラストは12分の大作。 ところが、この曲には斬新なアイディアや意表を
つく展開は用意されておらず、ゆるやかに時間だけが過ぎ去っていく感じでした。
そういう意味ではボーナストラックの「I Love My Label」は飲み会の締めの一言
みたい立ち位置で、あったほうがしっくりくると思いました。
正直言って、いまの Wilco の実力を100%フルに発揮した作品だとは思えません。
もっとすごいアルバムが作れるはずだと思います。 このアルバムは、まずは引越しの
ご挨拶ということなのでしょう。 しかしながら、するめのように聴けば聴くほど味わいが
増していくあたりは、Wilco ならではの音楽の魔法が十分にふりかかっていることを表して
います。
The Red Button [USA]
木曜日の Tower Record 渋谷店。 前回とりあげた Russian Red のとなりに
大展開されていたのが、この The Red Button です。 お店の人も書いていましたが、
ジャケットでがずるいですね。 1960年代初頭の雰囲気を漂わせ、きちんと季節感も
合わせてくるあたりの計算高さからは、音楽のクオリティの高さやサウンドへのこだ
わりを予感させます。
はずれはないと確信して聴いたところ、これがまたずるい。 初期の The Beatles や
The Beach Boys へのオマージュのような楽曲のオンパレード。 曲によっては、The
Pale Fountains に代表されるような原点回帰的なネオアコの要素も加わり、あっという
間に全12曲が過ぎ去って行きました。 この青春の味わいをなんと表現すればいいの
でしょう。 ノスタルジックに赤面するもよし、純粋に心を熱くするもよし、平静を装って
器用な奴らだと論評するもよし、いろんな聴き方があると思いますが、それはすべて
リスナーの選択。 ここにある音楽を変えることはできません。 僕的には、メロディーも
サウンドも好きですが、甘酸っぱいボーカルとハーモニーがいいかな、という感じです。
この The Red Button は、Seth Swirsky と Mike Ruekberg の二人による
ユニット。 ロス・アンジェルスを拠点に活動しているようですが、ふたりとも正真正銘
の音楽オタクなのでしょう。 きっと出会ったきっかけはネット経由じゃないかと妄想して
しまいます。 CDトレイの後ろにある写真からは、一見普通のように見えながらも、ただ
ならぬ視線をたたえた表情がうかがえます。
この秋、恋人へのプレゼントに、ドライブのお供に、この The Red Button がいれば
きっとうまくコトは運ぶのではないでしょうか。 初期の杉真理が好きな方にも、お薦め
の素敵なアルバムです。
2007年のファーストも素敵なジャケットでした。
Russian Red [SPAIN]
ひそかに輸入盤で売れている気配を感じ取って手にしたアルバムは、スペイン
の SSW Russian Red のセカンド・アルバム。 このアルバムをもって、全世界に
打って出ようという意欲的な作品のようです。
本名は Lourdes Hernandez という女性のソロ・ユニットである Russian Red。
彼女がロシア共産党に関与しているということは全くなく、単に愛用している口紅の
名前だそうですが、謎のタイトル「Fuerteventura」とは間逆に覚えやすいネーミング
だと思います。
まず耳に残るのは、2曲目の「The Sun, The Trees」に代表されるような北欧
ポップス系のカラフルなイメージです。 古くは Cardigans、Meja そして Sophie
Zelmani などが好みだった人にはストライク!というサウンドです。 ひと昔前だっ
たら、FM で飽きるほどかかったかもしれません。 そのくらいオンエアしやすい
楽曲を久しぶりに出会った気がします。 しかし、アルバムはそんなカラフルさに
満ち溢れているかと思うと、意外と淡くしんみりした雰囲気に包まれていきます。
この淡さがアルバムの最大のポイントです。 ちょうど、9月になってうろこ雲が
夕暮れをおおうときのような気分、それはすがすがしいけど、さみしさのほうが上回っ
てしまう晩夏から初秋にかけての空気感。 そんな風景のBGMにぴったりなのです。
個人的には「秋の夜長にSSW」と主張し続けているのですが、このアルバムもその
仲間入りすることになりました。 「Dadarada...」なんてバラードを聴いていると、
自分を勝手にセンチメンタルに追い込みたくなります。 そういえば、このアルバムには
「Tarantino」とか「Nick Drake」といった人物名をタイトルにした曲が含まれています。
タランティーノはどうでもいいとして、ニック・ドレイクには反応しないわけにいきません。
Dream Academy の永遠の名曲「Life In A Northern Town」の12inch シングル
に Dedicated To Nick Drake とクレジットされていたことを急に思い出しました。
話がそれましたが、もう 1 曲切なさでは頂点を迎える「My Love Is Gone」について
も触れておきましょう。 こんな曲をつぶやくように歌われては、男として放っておけな
くなるような楽曲なのですが、このはかなさは、1970 年代の幻の女性 SSW Susan
Pillsbury と Russian Red にしか出せないのではないかと思うほどです。 あ、また
話がそれてしまいそうです。
財政問題で EU の足をひっぱり、若年失業率が40%を超えているスペインから
彼女のような SSW が登場したのは興味深いですね。 これから、どのように成長
していくか楽しみなニューカマーの登場です。
Damien Jurado [USA]
シアトルをベースに地道な活動を続けるシンガー・ソングライター
Damien Jurado が昨年発表したアルバムを最近入手しました。 正しく言うと
散らかった机の棚の隙間から再発見したもので、「あれ!買っていたんだっけ」
という感じです。
しかし、これをあらためて聴くと、彼の最高傑作ではないかと思うような
出来栄えです。 彼の作品を全部聴いているわけではありませんので、適当
なことを言ってしまいましたが、とっつきやすさが増しているように思います。
とくに 1 曲目の「Cloudy Shoes」の素晴らしさには驚きました。 完全に宅録
で、ややもすると引きこもりがちになってしまう Damien Jurado のソウルと
エモーションが、この 1 曲で解き放たれたような印象です。 映画のエンディング
とかで使われたら最高だと思います。 この曲だけで「買い」と断言できる名曲
でした。
他にも「Throwing Your Voice」のようなスケール感のある曲は聴きごたえ
十分です。 この曲を過ぎたあたりから、いつものような陰鬱なたそがれムード
の曲が続きますが、そのあたりから完全に抜け出せないのは、それこそが彼の
音楽の本質だからでしょう。 しかし「Kalama」では珍しく力強いボーカルを聴か
せるなど、彼のメンタルの起伏を感じるような流れとなっています。 ラストの
「With Lightning In Your Hands」では、予想通りの静寂のなか息絶えるかの
ようにエンディングを迎えます。 こういうもやっとした闇を感じさせて終わるのは、
毎度のことなのですが、 Damien Jurado とは本当に不思議な人です。 Nick
Drakeのような雰囲気がお好きな方には、間違いなくお勧めできる作品です。
日本ではほとんど紹介されない Damien Jurado ですが、FUJI ROCK
あたりが招聘してくれれば、いいのにと思います。 霧が立ち込めてくれると
最高ですが、そうなった場合にはお客さんは100人くらいしか来ないでしょうね。
ちなみに、このブログでは彼の過去の作品「And Now That I'm In Your
Shadow」と「Caught In the Trees」も紹介していますので、暇があったらご覧
ください。
Thurston Moore [USA]
Sonic Youth の中心人物である Thurston Moore が Beck のプロデュースの
もとに制作したアルバムです。 これが、予想外の名盤でした。
そもそもSonic Youth や Beck のアルバムを1枚も知らないし、興味がないと
いう方も多いと思いますが、それはそれでまったく問題ありません。 Thurston Moore
の過去の作品をさかのぼる必要もないかもしれません。 それは、ちょうどミュージ
シャンにとって個々のアルバムが連なる山脈だとするならば、このアルバムは独立峰
のような存在のように思えます。 彼の周辺に関して、特別詳しくないので、偉そうな
ことは言えませんか、個人的にはこうした孤高の存在感を示す作品が好きです。
このアルバムの何がいいかというと、不安定で頼りなげなボーカルと、それに寄り
添うストリングスとの関係です。 それは病床に横たわる夫を看病するやさしい妻のよう
でもあり、ひそかに死を願っている妻のようでもあります。
1970年代の初頭に、Nick Drake という孤高の SSW がいました。 彼はその死に
よって伝説となり、永遠の命を与えられることになったのですが、もし彼が生きていたら
こんな作品を作ったのではないだろうか、と思わせます。 すぐれたSSW には、ふさぎ
こんだ心の深奥に一筋の光を与えてくれたり、悲しみを増幅させることで、それを希望へと
変換させる力があったりします。 そうした力を求めて、リスナーは音楽に身を任せるの
です。
ここでは個々の楽曲のコメントはしませんが、Thurston Moore の作りだした稀有な
名盤をぜひともご堪能ください。
The High Llamas [UK]
正直、The High Llamas の新譜にはあまり期待していませんでした。 彼らの
名盤「Hawaii」がリリースされたのが 1996 年ということで、ずいぶんと月日が流れており
、もう新鮮な気持ちで The High Llamas と向かい合うことはないと思っていたのです。
なので、CD ショップで見つけても、手に取ることすらしていなかったのですが、会社
の知り合いから、今度の作品はいいですよ、と薦められて、久し振りに購入してみました。
これが、良かったのです。 1 曲目の「Berry Adams」のイントロからして、あの名盤
「Hawaii」の香りが。 この 15 年間はなんだったのかと思うほどの、不変的なサウンドが
凝縮されていたのです。 たしかに、ジャケットからは緩そうな雰囲気は伝わってきます
が、ここまでとは思いませんでした。 体幹ダイエットとかしていたら、このアルバム聴く
だけで効果がゼロになってしまうと思えるほど、脳みそも体もとろけ出てしまいます。
彼らのアコースティックな彩りはさらに深まった感があり、とくにストリングスやホルン
の音色の心地よさには心を奪われます。 ちょっとうたた寝してしまうと、気付いたときに
は CD が終わってしまうほどの短さ(40分未満)ですが、それも悪くありません。
現代の Beach Boys と評する人もいるでしょう。 この快作を持って、久しぶりに
来日してくれたらいいですね。 その際は軽く飲んでから登場したいものです。
Tedeschi Trucks Band [USA]
アメリカンロック、かくあるべし... そんなコピーをつけてあげたくなるような名盤の
予感がするアルバムの登場です。 テデスキ・トラックス・バンド、という名前にはピン
と来ない人が多いと思いますが、すでにギターの名手として君臨している Derek
Trucks とその奥さんである Susan Tedeschi が結成したバンドです。 昨年の
Fuji RockFestival に出演しているので、ご覧になった方もいることと思います。
その夫婦を中心にしたバンドですが、1970年代のアメリカン・ロックのエッセンス
がそのまま浄化されて、新たに生命が吹き込まれたかのような瑞々しい魅力に
あふれた作品となっています。 Susan の伸びやかで迫力のあるボーカル、どう
すればこんなにいい音が出せるのかと思うほどの、Derek Trucks のギターが、自由
奔放に駆けめぐるさまは、限りなく爽快でエモーショナルなものです。
オープニングの「Come See About Me」のギターとボーカルで、アルバムの
雰囲気はおおよそ把握できますが、個人的には「Bound For Glory」や「These
Walls」、「Shelter」といったミディアムな楽曲が好みです。 こうしたスロウやミディ
アムな曲だけを抽出すると、女性 SSW の傑作にすりかわってしまうことでしょう。
このアルバムが傑作に仕上がった要因としては、姉さん女房である Susan Tedeschi
に主役の座を譲り、Derek Trucks が脇役に回ったことがあるように思います。
Derekの絶妙なサポートは抑制されたギターソロに表れており、なかでも「Midnight in
Harlem」での美しいソロは天国に上っていくような気分にさせられます。
主役の Susan も負けていません。 とくに「Until You Remember」では、太め
のボーカルがひしひしと迫ってきて、圧倒させられました。 Lucinda Williams も
真っ青という感じの迫力です。
音楽で結びついた Susan Tedeschi と Derek Trucks が真剣勝負したかのような
アルバムは気心の知れたバックミュージシャンに支えられて、今年を代表するアルバム
に仕上がったと思います。
あとは、Richard & Linda Thompson のようにおしどり夫婦が突然破局...みたいな
ことにならないことを願うのみです。 縁起の悪い締め方ですいません。
Tedeschi Trucks Band - The Making Of Revelator EPK from networking Media on Vimeo.
Seapony [USA]
こういうジャケットに弱いんですよね。 そして、タワレコ渋谷店の試聴器に手が伸びて、
1 曲目の 10 秒で購入決定。 試聴器というのは雰囲気を確認するものであって、アー
ティストの全貌を把握するものではないと思っているので、いつもすぐにヘッドホンを外し
ています。
ま、そういう個人的なポリシーはさておき、本当にずるいなあ~、と思いながら、すで
にレジへ直行したのです。
雰囲気は、イギリスの Sarah Label のアーティストが持つ雰囲気をそのまま、甘酸っ
ぱく引きずっているのですが、彼らはアメリカ・シアトルのバンドのようです。 詳しいプロ
フィールを書いている日本語サイトが見当たらないので、よくわかりませんが、最近のシア
トル周辺は本当に面白いですね。
アルバムは HMV 渋谷が昔の位置のあった頃の「渋谷系」サウンドに近いもので、
強引な表現をすれば、フリッパーズ・ギターのファーストに、The Felt の憂いを加え、舌た
らずの女の子に歌わせたようなものです。 サーフっぽかったり、日本の GS 風になったり
しますが、このボーカルは、クロディーヌ・ロンジェや佐々木麻実子に通じるアンニュイ
(おっと死語??)なものです。 おそらく、もっと近い女性ボーカルとかいると思うのです
が、すぐに思いつきません。 そのあたりは、今後出てくるであろうネットでの書き込みや
雑誌のレビューを参考にされることをお薦めします。
全 12 曲で 34 分くらいのアルバムですが、これから初夏へと向かう砂浜にぴったり
なアルバムだと思います。 いっしょに聴く女性には是非ともワンピースを着てもらいたい、
と妄想してしまいます。 そんなごく一部の男性にはたまらない作品です。
Sara Bareilles [USA]
サラ・バレリスは西海岸の UCLA 出身のシンガーソングライター。 昨年発表された
このアルバムがセカンドとなります。 アメリカではビルボードのチャート1位を獲得するなど
人気があるようですが、日本での知名度はそれほど高くはないようです。
彼女のサウンドは、大きく分けるとピアノ系SSWですが、全般的に春の日差しのように
暖かく、お花畑を散歩しているようなカラフルな雰囲気に満たされています。 大学時代に
アカペラ・コーラス部に所属していたということもあり、ボーカルも伸びやかで声量も十分に
備えています。 そういった意味ではなかなか弱点がみつからないタイプのミュージシャン
だと思います。 ただ耳の肥えたリスナーの方には、そういった万能性イコール個性の欠如
と評価されかねません。 しかし、このアルバムは聴けば聴くほど、楽曲のよさが伝わって
きて、そういったネガティブな評価はされないことでしょう。 「Hold My Heart」のような
スケール感あふれるバラードは、彼女の魅力を十分に引き出していますし、「Say You're
Sorry」のような可愛らしいミディアムもそつなく歌いこなします。 やはり晴れた日中によく
似合うアルバムだなあと再認識しました。 雨の日と夜ではないなあ、と。
さて、ここまで書いてきて白状しますと、昨日彼女のライブに行ってきました。 初来日
ということでしたが、予想通りのパフォーマンスに満足の一日となりました。 彼女だけで
なく、バックバンドの余裕ある演奏とコーラスは、久しぶりにアコースティックな手触りを
感じさせるものでした。
ライブが終わってからオフをとる彼女は、ボランティア活動のために震災で被害の大き
かった大船渡に向かうそうです。 しかも、1週間も活動するとのこと。 その気持ちと行動
力には尊敬の念すら抱いてしまいます。 サラ・バレリスのそうした活動は、今後の創作
活動にいい影響を与え、次の作品に反映されてくることでしょう。 感謝をこめて期待したい
ものです。
Fleet Foxes [USA]
今年になって発売されたアルバムのなかでは、最も多くの人が期待に胸を
ふくらませていたに違いないFleet Foxes のアルバムです。 たった一枚のアル
バムで「アメリカの至宝」とまで言わしめた彼らのサウンドは、たしかに独特で
時代に左右されない普遍性を有しています。 それだけに、このセカンドはCD
ショップでも大展開されており、国内盤が先行発売ということで、僕も国内盤を
買いました。
彼らのサウンドの特徴は、土俗的とも言えるようなアコースティックな世界の
なかを木霊のように響きぬけるボーカル&コーラスです。 奥行きを感じさせる
エコー感は彼らの真骨頂でもあり、他を寄せ付けない個性へとつながっています。
さて、そのセカンドは当然のように期待が大きかっただけに、真剣に聴きまし
たが、期待を大きく上回るような意外性はありませんでした。 ボーカル部分が前作
より多くを占めているように感じましたが、たしかな確信は持てていません。
いろんなレビューが彼らの音楽を評していますが、個人的に思い出したのは、
何とイタリアン・プログレの1973年のオザンナの大名盤「パレポリ」です。
「パレポリ」のような呪術性やオカルトっぽさは、Fleet Foxes には無いものの
、アコースティックな音色の手触りやたたずまいには、類似点があるように思い
ました。 このサイトの読者には、オザンナの経験者は少ないと思いますが、
もし機会があれば一生に一度の大スペクタクルなので、味わってみてください。
話がそれましたが、シアトル出身の彼らのライブはどんな感じなのでしょうか。
もし来日するとしたら、屋外でのライブが見たいですね。 森の香りと焚き火が
交じり合った夕暮れに聴きたい音楽です。 今年を代表するアルバムのひとつ
でもありますが、彼らがアメリカの音楽シーンのなかで最重要なバンドであること
は間違い有りません。
参考までに。

- アーティスト:
- 出版社/メーカー: ディスク・ユニオン
- 発売日: 2004/05/28
- メディア: CD
Randy Edelman [USA]
SSW としての Randy Edelman が戻ってきました。 彼が映画音楽の世界に
転進して20年以上経過しますが、突然、今年になって彼のオリジナル作品がリリース
されたのです。
前作の「Switch Of The Seasons」は1985年の作品ですから、実に 26 年ぶり
に彼のボーカルがよみがえったことになります。 よく考えてみると CD の時代になって
から、初めてのボーカル作品となるわけですね。 ここまで封印していた理由も分かり
ませんし、突然、歌うことを再開した理由もわかりませんが、Randy Edelman ファン
としては、こんなに嬉しいニュースはありません。
ジャケット・デザインが良くないなあというのが第一印象ですが、内容はマイルドで
メロウなピアノ・ナンバーで占められています。 ボーカルもやや年をとったという印象
は否めませんが、予想以上に歌えていると感じました。
「If I Could Do That」、そして「Don't Forsake Me Now」と、冒頭のバラードの
美しさはさすがプロフェッショナルという出来映え。 全般的にリリカルなピアノや
アップテンポの曲はありませんが、落ち着きのあるミディアム系の楽曲が 12 曲連
なっているという印象です。「Surefire Plan」なんかは、「Prime Cuts」に入っていても
おかしくない仕上がりでした。 突き抜けるような爽やかさが感じられないのは、
タイトル通りこのアルバムがイギリス録音だということも影響しているかもしれません。
また、奥さんの Jackie de Shannon は本作では参加していませんでした。
Randy Edelman の新作がネオアコで有名な「Cherry Red」からリリースされるとは
夢にも思いませんでしたが、彼の SSW としての復活が本作だけなのか、それとも次作
もありうるのかが気になりますね。 そして、本当の夢はピアノ弾き語りでかまわないの
で、来日コンサートの実現です。 名曲「Uptown Uptempo Woman」の流麗なピアノ
の調べが生で聴けたらと妄想すると、体が震えてしまいます。
Ron Sexsmith [CANADA]
CD がリリースされたら迷わずに購入するというミュージシャンも少ないですが、
Ron Sexsmith はそのひとり。 店頭で試聴しようなどとは思わずに、即ゲットです。
春にリリースされたこともあって、珍しくカラフルなジャケットながらも、いつもの
憂鬱そうな表情はそのままです。 これが、かえって安心感につながるのも彼の
唯一無比の個性と言えるでしょう。
アルバムは疾走感のあるフォークロック調「Get In Line」や「The Reason Why」
で軽快にスタート。 中盤以降は徐々にしっとりし始める感じですが、ラスト前の
「Love Shine」でハイライトを迎える感じです。 すでに聴くのは10回目くらいですが、
Ron Sexsmith の持ち味は、聴くたびに味が出てくるところでしょう。 10回目くらい
になると、味がしみこんだおでんの大根のように、たまらない味わいに満たされます。
正直、最初聴いたときは、今回はいまいちかなあ、と思ったのですが、こうして
熟してくると何の問題もありません。 これが、Ron Sexsmith の音楽の魔法なので
しょう。 多作なのにクオリティが落ちない稀有な存在の Ron Sexsmith の才能に
惜しみない賛辞を送りたいと思います。
ところで、クレジットのなかに発見したのですが、「Eye Candy」という曲のバック
コーラスに、Don Sexsmith という人物が参加していました。 Facebook にも彼の
名前がありますが、どうやら父親のようですね。 もちろんフレンド・リクエストはしま
せんけど。
前の20件 | -
























![ヘルプレスネス・ブルーズ [初回スペシャル・プライス盤] [日本盤のみ歌詞/対訳、解説付] ヘルプレスネス・ブルーズ [初回スペシャル・プライス盤] [日本盤のみ歌詞/対訳、解説付]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/61Az9J2Kp7L._SL160_.jpg)




